小暮会、開催。

場所はうちから車で15分の、近いくせにやたらとアウトドア感があるキャンプ場。

参加者は、オルガン紳士・西川直人。そしてもう一人、仮名・うなぎパワー氏。
焚き火を囲んで、我々は文明から脱却した(つもりになった)。
薪は落ちてるやつ。落ちてる=無料。
「木材にも寿命ってあるんですよ」と言ったのは誰だ。たぶん西川。たぶん嘘。
肉を焼く。魚を焼く。パンを焦がす。

直人が持ってきたギターを誰も頼んでないのに奏で始めたとき、「あ、これは良い夜だ」と確信。
ただ、コードが全部Amで切なかった。
で、恒例のココス。もはや神事。
ここで、運命の邂逅――「限定うなぎ」。
私は迷わず頼んだ。
「うなぎ、ください。あと友情の証もください」
すると、うなぎパワー氏が言った。
「今日は僕がごちそうしますよ」
まさかの展開。私は、うなぎを他人の金で手に入れた。

だが――ここからが見せ場である。
私は、そのうなぎを**「恩着せがましく」**二人に分け与えた。
「おい直人、誰かさん、この貴重なうなぎをお裾分けしよう」
「え、小暮さん、それ僕のお金で買ったやつ…」
「気にするな。これは友情だ。次回はお前らが奢れ」
直人、絶句。
うなぎパワー氏、頭を抱える。
私は満足げにうなぎの尻尾を頬張った。
結果:奢ってもらったうなぎを自らの施しとして振る舞い、次回の奢り権まで得るという高等戦術が成功。
あっぱれ、小暮。次回の小暮会、私は手ぶらで臨む所存。