おじさんになって、ウェス・モンゴメリーを買い直した
ヴィンテージオーディオを導入してから、レコードを買うことが増えました。
最近、ウェス・モンゴメリーの『Boss Guitar』を購入しました。
このアルバムには、自分にとって特別な思い出があります。

実はこの作品、自分が人生で初めて買ったジャズのレコードなのです。
以前、若い頃は浴びるようにお酒を飲んでいた、という話を書いたことがありました。
今の自分の家は、物も少なく、かなりミニマルな生活をしていますが、当時の部屋はとにかく散らかっていました。
毎日のように酒を飲んでいました。
そしてある日、目を覚ますと、『Boss Guitar』のレコードがビールまみれになって、ふやけてしまっていたのです。
ジャケットはボロボロで、持ち上げた瞬間に崩れていくような状態でした。
レコード盤もなんとかしようと思い、洗剤で洗ったのですが、今度はブツブツという酷いノイズだらけになってしまいました。
そのまま取っておけば良かったのですが、結局捨ててしまいました。
それ以来、このアルバムを聴くことはありませんでした。
YouTubeやApple Musicのようなサブスクの時代が来るまで、ずっとです。
それでも、1曲目の「Bésame Mucho」を聴きたいな、と思うことは何度もありました。
一度は自分で買ったレコードですし、もっと知りたいこともたくさんありました。
でも、なぜか買い直さずにそのまま時間だけが過ぎていきました。
そして今回、やっとおじさんになって、少し心にも生活にも余裕ができたので、もう一度買うことにしました。
改めて聴いてみると、本当に素敵なアルバムでした。
オルガンはMel Rhyne、ドラムはJimmy Cobb。
このメンバーの空気感が、とにかく心地良いのです。

オープニングの「Bésame Mucho」も印象的です。
3拍子で演奏されていて、Grant Greenのバージョンとはまた全然違う、おしゃれな雰囲気があります。
「Days of Wine and Roses」も有名な名演です。
ウェスの歌うようなラインが本当に素晴らしい。
さらに「Fried Pies」という、アレンジの効いたテーマのブルースも収録されています。
これも最高ですね。
そして何より、今の自分のオーディオが、ジャズを聴くのに本当にぴったりなんです。
ヴィンテージオーディオで鳴らすウェスのギターは、どこか柔らかくて、温度感があって、聴いていて幸せな気持ちになります。
歳を取るというのは、どこか寂しいことでもあります。
でも、こんなふうに昔のレコードをもう一度買い直して喜べるのは、おじさんになったからこその楽しみなのかもしれません。
同じレコードや同じCDを何度も買ってしまう、“悲しきおじさん”の話は、まだまだたくさんあります。
また機会があれば、ブログに書いてみようと思います。
