雨の日とモンクのアルバム
今日は雨。古い家だから、屋根や窓を叩く音がダイレクトに響いてくる。オフなので部屋を片づけたり、事務作業をしたり、自分と向き合ったり。そんな時間のお供に、朝からセロニアス・モンクを聴いていました。
今日聴いた3枚
🎹 Thelonious Monk in Italy(1963 / Riverside)
- 録音:1961年4月21日(イタリア・ミラノ、Teatro Lirico)
- メンバー:
・Thelonious Monk — piano
・Charlie Rouse — tenor saxophone
・John Ore — bass
・Frankie Dunlop — drums - プロデュース:Orrin Keepnews
ヨーロッパ・ツアー中のライブ盤。ラウズ入りカルテットの初期で、バンドのまとまりが最高にいい時期の記録。会場の熱気がそのまま伝わってきます。
🎹 Thelonious Monk Plays Duke Ellington(1955 / Riverside)
- 録音:1955年7月21日・27日(ニュージャージー、Van Gelder Studio)
- メンバー:
・Thelonious Monk — piano
・Oscar Pettiford — bass
・Kenny Clarke — drums - プロデュース:Orrin Keepnews
- エンジニア:Rudy Van Gelder
「エリントンの名曲をモンクが弾く」という企画盤。淡々としているけど、間の取り方や独特の和音で、ちゃんと“モンク節”に仕上がっているのが面白い。
🎹 Thelonious Alone in San Francisco(1959 / Riverside)
- 録音:1959年10月21–22日(サンフランシスコ、Fugazi Hall/無観客録音)
- メンバー:
・Thelonious Monk — piano (solo) - プロデュース:Orrin Keepnews
- エンジニア:Reice Hamel
ホールにピアノを置いて、一人でじっくり録ったソロ作品。静かな空気感や鍵盤のタッチ音まで全部入っていて、日常に寄り添う感じで聴けるアルバム。
ライブでよく弾くモンク曲
- Ruby, My Dear — モンクが若い頃の恋人に捧げたと言われるバラード。サックスとの共演も有名。
- Pannonica — パリで出会った“バロネス・パノニカ”に捧げた曲。初期録音では、ピアノとチェレスタを弾き分けているのが印象的。
- ’Round Midnight — 代表曲にしてジャズ史上もっとも録音されたスタンダードのひとつ。イントロや歌詞が後から付け足されて今の形になりました。
ギタリスト目線で
ギタリストのボビー・ブルームが、モンク曲をまとめて演奏したアルバム『Bobby Broom Plays for Monk』(2009)を出しています。ギターでモンクをどう表現するかの好例。自分も「モンク曲だけのアルバム」を作ったら面白いかな…なんて考えたりします。
雨の日にモンクを流すと、部屋の空気までジャズに染まる感じがします。自分でもよく弾く曲だからこそ、聴きながら「次はどう表現しようか」と考えさせられる。そんな1日でした。