郡山・仙台 ジャズギタークリニック
人生初のジャズギタークリニック。郡山・仙台で驚いたこと
9月19日・20日、郡山と仙台で、人生初となるジャズギタークリニックをやらせていただきました。
これまで個人レッスンでは長くジャズギターを教えてきましたが、大勢の方を前にしてセミナー形式で話すのは今回が初めてです。
始まる前は、
「初心者の方から経験者の方まで、かなりレベル差があったらどうしよう」
とか、
「90分、ちゃんと間を持たせられるだろうか」
とか、
そんなことばかり考えていました。
ところが、実際にやってみると、自分が心配していたこととは全然違うところで、いろいろと驚くことになりました。

ハードロック、ヘヴィメタル経験者がやたら多い
まず最初に驚いたのがこれです。
参加してくださった方と話をしてみると、ハードロックやヘヴィメタルをやっていたという方が、思っていた以上に多い。
これはかなり意外でした。
もちろんギターを弾いている人なら、ロックを通ってジャズに来るというのは珍しいことではありません。
でも、ジャズギターのクリニックに来てくださる方の中に、ここまでハードロックやヘヴィメタル経験者が多いとは思っていませんでした。
「昔は速弾きをやっていました」
「バンドでハードロックをやっていました」
「そこからジャズに興味を持ちました」
そんな話が次々と出てきます。
そこで改めて思ったのが、
ジャズギターを始める人は、最初からジャズの人とは限らない
ということです。
当たり前といえば当たり前なのですが、教える側にいると、どうしても「ジャズを勉強したい人」というひと括りで考えてしまいます。
でも、その人がそこへ来るまでに聴いてきた音楽も、弾いてきた音楽も全然違う。
ロック、ブルース、フュージョン、ポップス。
人によって入口はさまざまです。
そして面白いのは、かなりギターが弾ける方でも、
「ジャズになると急に何を弾けばいいのか分からなくなる」
ということがあることです。
速く弾けることと、ジャズが弾けることはまた別。
コードをたくさん知っていることと、ジャズらしく聴こえることもまた別です。
逆に、ジャズの理論を全部知らなくても、今まで弾いてきた音楽の経験や、耳、リズム感がものすごく役に立つこともあります。
今回いろいろな方と話していて、
「ジャズギターを教える」というより、その人が今までやってきた音楽とジャズをつなぐこと
の方が大事なのかもしれないと思いました。
これは自分にとって、かなり大きな発見でした。
仙台に着いたら、自分の顔があちこちに貼ってある
仙台では、お店に着いてまた別の意味で驚きました。
自分のクリニックのフライヤーが、店内のあちこちに貼ってあるんです。
もちろん宣伝してくださっているわけですから、本当にありがたいことです。
でも本人がそこに行くと、これが結構恥ずかしい(笑)。
「あ、ここにもある」
「あっちにもある」
という感じで、自分の顔が何度も目に入ってきます。
宣伝していただけるのは本当にありがたいのですが、本人としては何とも言えない気恥ずかしさがありました。

普段、自分でYouTubeのサムネイルを作ったり、告知画像を出したりしているので、自分の顔を見ること自体には慣れているはずなのですが、
実際の店舗に自分のフライヤーが何枚も貼られている
というのは、また全然違いますね。
「ああ、本当にイベントをやるんだな」
と、そこで急に実感が出てきたような気もします。
教則本を10冊注文してくださったのですが……
さらに嬉しかったのが、教則本の話です。
僕の『ジャズ・ギター教室の裏メニュー・レッスン』を、お店で10冊注文してくださっていたそうです。
ところが、ちょうど品切れになっていて、実際に入荷できたのは5冊だけ。
そして、その5冊のうち3冊がすぐに売れてしまったそうです。
するとスタッフさんが、
「当日分がなくなると困るので、残り2冊は隠しておきました」
と(笑)。
この「隠しておきました」という言い方が妙に面白くて、今でも印象に残っています。
10冊注文してくださったこともありがたいですし、品切れで5冊しか入らなかったことも、ありがたい話です。
さらに3冊がすぐ売れて、残り2冊をイベント当日のために確保してくださっていた。
本を書いた時には、まさか自分が仙台へ行って、スタッフさんから
「2冊は隠してあります」
と言われる日が来るとは思っていませんでした。
こういうことは、実際にその場所まで行かないと分からないですね。
そして、ずんだ餅までいただく
仙台では、スタッフさんからずんだ餅までいただきました。
これも嬉しかったです。
イベントをやるとなると、どうしても
何時入り、何時リハーサル、何時スタート、
ということばかり考えてしまいます。
でも、こうして現地のものをいただいたり、スタッフさんと話をしたり、参加者の方と雑談したり。
そういう時間も含めて、今回の旅だったんだなと思います。
人生初のジャズギタークリニックで、最後にずんだ餅。
なかなか良い組み合わせでした(笑)。
「教える」というより、自分もかなり教わった
今回のクリニックで改めて感じたのは、人に教えると、自分が普段無意識にやっていることが見えてくるということです。
普段演奏している時には、
「なぜ今この音を弾いたのか」
「なぜここでこのコードを選んだのか」
ということを、いちいち言葉にはしません。
でも人前で説明するとなると、それを言葉にしなければならない。
そこで初めて、
「ああ、自分はこういうふうに考えていたのか」
と気づくことがあります。
質問をいただくことで、自分では当たり前だと思っていたことが、実は当たり前ではなかったことにも気づきます。
だから今回、
「自分が皆さんに何かを教えた」
というより、
僕自身もかなり教えてもらった
という感覚があります。
参加してくださった方の反応を見て、
「ここはもっと丁寧に説明した方がいいんだな」
とか、
「ここは理論から入るより、まず音を出した方が伝わるんだな」
とか、
いろいろと発見がありました。
個人レッスンとも違うし、YouTubeとも違う。
目の前に何人もの方がいて、その場の反応を見ながら話を進めていく。
これはとても面白い経験でした。

初心者でも参加できるクリニックにしたい
今回、参加してくださった方のレベルもさまざまでした。
ジャズを始めたばかりの方もいれば、かなり長くギターを弾いている方もいる。
始まる前は、このレベル差を一番心配していました。
でも、実際には実演を入れたり、質問を受けたりしながら進めることで、それぞれの方に何か持ち帰っていただけたのではないかと思います。
僕自身、
「ジャズの理論を全部知っていないと参加できない」
というクリニックにはしたくありません。
ツーファイブがよく分からなくてもいい。
スケールを全部覚えていなくてもいい。
ジャズギターに興味があって、
「どうやったらもう少しジャズらしく弾けるんだろう」
と思っている方なら参加できる。
そんな内容にしていきたいと思っています。
また、どこかでやってみたい
今回、郡山と仙台で初めてクリニックをやってみて、
「こういう形でジャズギターを伝えるのも面白いな」
と思いました。
僕にはこれまで、
ライブで演奏すること。
個人レッスンで教えること。
本を書くこと。
YouTubeで伝えること。
という形がありました。
そして今回、新しく
人前でクリニックをやる
という形が加わりました。
まだ始めたばかりなので、これからどうなっていくかは分かりません。
でも、機会があればまたいろいろな場所でやってみたいと思っています。
いつか皆さんの街にも行くことがあるかもしれません。
今回参加してくださった皆さん。
そして、準備から当日まで本当にいろいろとお世話になった島村楽器のスタッフの皆さん。
本当にありがとうございました。
人生初のジャズギタークリニック。
緊張もしましたが、それ以上に、面白い発見の多い2日間になりました。
