レコードを聴いて、アルバムの『終わり方』を思い出した

CDを聴いていて、「ちょっと長いな」と思うことはありませんか?
最近、またアナログレコードを聴くようになって、片面が20分くらいで終わるのが、僕にはちょうどよく感じられています。
A面の1曲目に何を持ってくるのか。
B面はどんな曲から始めるのか。
そして、最後をどう締めくくるのか。
ジャケットはどんなものにするのか。
レコードを聴いていると、そういう一つ一つが、アルバムという作品を形作っているんだなと感じます。
CDだと、50分、60分と続くものも珍しくありません。僕の場合、後半になると少し飽きてしまって、最後までじっくり聴かなくなることがあります。
もちろん、聴きたい曲をすぐに選べるし、盤を裏返す必要もない。便利なのですが、その便利さの中で、アルバムを一つの作品として味わう感覚が、少し薄れていたのかもしれません。
特に、昔のジャズのアルバムをCDで聴くと、レコードには収録されていなかった別テイクや未発表曲が、ボーナストラックとして入っていることがあります。
好きなミュージシャンの演奏を少しでも多く聴けるのは、うれしいことです。演奏を研究するうえでも、とてもありがたい。
ただ、レコードを聴くようになってから、「なぜ、このテイクは元のアルバムに入れなかったんだろう」と考えるようになりました。
演奏の出来だけではなく、曲の重複や全体の流れ、収録時間など、いろいろな理由があったのでしょう。追加された演奏が面白くても、続けて聴くことで、元のアルバムのまとまりや余韻が変わってしまうことはあるんですよね。
僕は、アルバムの1曲目と最後の曲が、とても重要だと思っています。
自分のアルバムを作ったときも、この2曲にはかなり気を使いました。最後の曲を録音するときは、部屋の照明を落として、ムードを作ったのを覚えています。
どんな気分で聴き始めてもらうか。
そして、どんな気分で聴き終えてもらうか。
最後の曲が終わったあとに残るものまで含めて、アルバムなんだと思います。
その点、レコードの片面20分くらいという長さは、僕の集中力に合っています。片面が終わって、盤を裏返す。そのひと手間が、気持ちを切り替える時間にもなる。
部屋にずっと音楽を流しておきたいときには、CDのほうが楽です。でも、腰を据えて一つのアルバムを聴くときには、レコードの区切りが心地いい。
僕は、アルバムのコンセプトや曲順を勝手に想像しながら、「これはよくできているなあ」なんて、無責任に感心するのが好きです。
そんな僕にとって、最近はCDが「研究材料」、レコードが「作品を楽しむもの」という感じになっています。同じ音楽でも、聴くときの自分の姿勢が違うんでしょうね。
これは、僕が昔のジャズをよく聴いているから、というのもあると思います。
最近のJ-POPなどには、小説や物語とつながって展開する作品もあって、僕の知らない楽しみ方が、きっとたくさんあるのでしょう。
ただ、その全部を知って、全部を楽しもうとしていたら、それだけで人生が終わってしまいそうです(笑)。
今の僕には、好きなアルバムをひっくり返しながら、「どうしてこの曲順なんだろう」と考えているくらいが、ちょうどいい。
たくさんの音楽を知ることも面白いけれど、好きな音楽との付き合い方を深めることで、自分も少し面白い人間になれたらいいなと思っています。
